プロレスファンでない人と話した時に、「プロレスはわざとらしくてやらせだから嫌い」なんて言われたことはないですか?
今回は永遠のテーマ「プロレスはやらせなのか」について、お話していきます。
結論から言うと「プロレスはやらせではなく、エンターテイメント」です。
プロレスはやらせなのか
大前提として日本のプロレス団体は、試合の勝敗やストーリーが決まっていると公にはしていません。
アメリカにある、世界一の売り上げを誇るプロレス団体「WWE」は別です。
ニューヨーク証券取引所に上場する際に事業内容を公開する必要があり、公式にすべて決められたストーリーがあると公表をしています。
しかし、日本のプロレスにも「演出がある」というのが常識になっています。
いつも同じ選手がチャンピオンだったり、スポット参戦の選手の扱いなどに会社の都合が見え隠れします。
人によって程度は違えど、「プロレスは勝ち負けが決まっているし、ストーリーに沿って展開されている」と考えているファンがほとんどではないでしょうか。
ただし、プロレスの仕組みを知っているファンは多くいるけど、「プロレスをやらせと思って見てるプロレスファンなんて一人もいない」でしょう。
プロレス団体もビジネスです。
面白いカードを組んで観客を集め、いい選手を売り出してグッズを売り、巡業で全国を回らなければなりません。
そのためにストーリーを作り、面白い仕掛けを用意し、ファンの興味を引くように常に工夫しています。
アングルの存在
プロレスファンにはおなじみの言葉です。
プロレスはシリーズの中で誰がチャンピオンになって、誰と誰が抗争して、どうやって解決するかを決めたアングル(ストーリー)が存在しています。
海外の団体は特にストーリーを重視してるんですが、プロレスの裏側を深いところまで見せてるドキュメンタリー映画「ビヨンド・ザ・マット」は衝撃的です。
プロレスの作られ方がネタバレされてます。
このアングルがプロレスを怪しいものにしていますが、「次はこうくるかな?」と予想するのが、プロレスにしかない楽しみです。
試合の勝敗は決まってる
プロレスの試合は、ブックといわれる台本に沿って進行していきます。
といってもドラマの台本のようなものではなく、口頭で行われることが多いとされています。
試合内容まできっちり決められることは少なく、試合は選手の力量や観客の反応を見て選手同士で合わせています。
この部分が選手それぞれの腕の見せ所ですね。
とはいえ、事前に決められた流れや勝敗を無視する「ブック破り」というものも存在しています。
プロレス界ではタブーとされていて、ブック破りをした選手は団体や他のレスラーから厳しい扱いを受けてしまいます。
WWEが過去に団体ぐるみで行ったブック破り、通称「モントリオール事件」に迫ったドキュメンタリーは必見です。
ブックがあるとはいえ、技を受ける場合も技が映えるようにケガをしないように受け身を取らなければいけませんし、観客に伝わるように試合を魅せなければいけません。
観客の沸き具合を察知して、試合展開を変えることもあるでしょう。
▼台本や勝敗についてさらに詳しく書いてます。
・プロレスの台本はどこまで?勝敗が決まってる証拠が暴露される
近年のプロレスでは、エルボーやキックの時に「パチン!」と音がしますが、これは自分で太ももなどを叩いて音を出しています。
上手い選手はこういったテクニックがあからさまでなかったり、間の使い方、表情などプロレス技以外も使って、一番後ろの観客にまで伝わるようにリング上で表現しています。
丸藤正道と小島聡が「やらせ」について語る
プロレスがやらせなのかについて、新日本プロレスの小島聡と、プロレスリング・ノアの丸藤正道が触れているので、ご紹介しましょう。
プロレスがどこまでやらせかについて現役選手が発信するのは、かなり珍しいことです。
プロレスが、ヤラセかヤラセじゃないか?なんて愚問だと思う。痛くないのに痛いふりをして油断させたり、痛いのに痛くないふりをして意地を張る時もある。相手選手、お客さんとの駆け引きも凄く重要だし、ただ単に勝敗を競っいてる訳じゃないから。ただ、どう言われても、命だけは張ってます。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2013年8月22日
残念だけど、初めからヤラセという人は、選手が流血しようが、大怪我しようが…極論、亡くなってしまったとしても「ヤラセなのに大変だったね」という言葉を出すでしょう。それは、本当に悲しくて悔しい事だけど…その何十倍、何百倍もの人がプロレスで感動してくれていると思えば、自分は頑張れます。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2013年8月22日
多分、プロレスを何年も続けている選手のほとんどが、体に異変を感じてます。伸びきらない&曲がりきらない肘や膝。慢性的に痛む腰や首。うまく合わない視線、等。でも、だからといって「こんなにプロレス続けなきゃよかった」なんて一度も思った事ないです。特に、これだけのリプやRTがあれば尚更。
— 小島 聡【SATOSHI KOJIMA】 (@cozy_lariat) 2013年8月23日
人が命をかけてやってるものをそんな風に言う人を相手にしてはいけない。
人の本気をバカにする人間は本気で物事をした事の無い人間だと思う。さみしい人間だと思わないか?気にせずおもいっきりプロレスを応援してくださいね🎵 https://t.co/xM1YNuYEHd— 丸藤 正道 (@noah_marufuji_) 2017年11月9日
コジや丸藤の言うとおり、プロレスラーは命をかけて本気でリングに上がっています。
キャリアが長い選手だからこそ伝えられる、言葉の重みを感じました。
新日本プロレスが上場したら…
プロレスにはストーリーがありますが、選手の力量が伴わなかったり、ファンの反感を買ったりと、思い通りにいかないことがあります。
ここが面白いところです。
「こっちが勝つだろうな!」と思っていてもそうならなかったり、考えもしなかった大物が参戦したり。
レスラー本人の感情や、イデオロギーがリング上でぶつかって、よりプロレスが面白くなりますね。
ひとつ興味深いのが、新日本プロレスは2020年に上場を目指していること。
戦略通りに上場を果たした際、WWEと同じようにアングルの存在を公にするんだろうか。
プロレスの一つの節目になる予感です。
とにかくプロレスは面白い
プロレスの裏側ばかり書いてしましましたが、そんなこと考えなくてもプロレスは面白いです。
プロレスはショーでありエンターテイメン。
小島の言うとおり、観て感じたことが全てです。
リング上で頑張っているレスラーを観て感動しませんか?
映画やドラマに台本があるからといって感動しないということはないでしょう。
作品に対する感動は偽物ではないはず。
プロレスは、プロレスラーが体を張って見せる長い人生ドラマです。
長く観ているとより面白いのがプロレスです。
どう感じるかはあなた次第です。
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